FAQ3 知的財産の活用について

3.知的財産の活用について

Q3-1: 大学が出願した特許はどのように技術移転・活用されるのですか?
Q3-2: 発明が大学所有になったら自分の希望する発明の実施・移転先を自分で決められないのですか?
Q3-3: 今まで発明を行っても企業に譲渡して出願してもらっていました。法人化後、こうしたやり方や既に出願した特許はどうなりますか?
Q3-4: 民間等との共同研究における共有特許について詳しく教えてください
Q3-5: 発明者への補償はどうなっていますか?
Q3-6: 出願・維持費用と特許収入の関係について教えてください
Q3-7: 自分が発明し、特許出願した技術を使ってベンチャーを起業したいのですが、大学とのライセンス契約はどうなるのですか?
Q3-8: 京都大学の特許が他者に勝手に使用されているのを見つけました

A3-1:
 届け出られた発明は、ヒアリング時点から技術移転・実施許諾先が検討されます。現在、京都大学では関西TLOや芝蘭会(医学領域について)と技術開示の基本契約を締結しており、それらを通して技術移転活動を進めることも考えられますし、出願した大学発特許をデータベースやイベント等で積極的に発信することにより技術移転先を見つけることも考えられます。
 実施許諾することが決定されれば、大学は当該技術移転候補先と特許実施契約を結び、対価を受け取ります。契約の形態は独占的実施権あるいは通常実施権の許諾、特許権の譲渡などが考えられ、対価の内容も売上に応じたランニングロイヤリティや定額払い等、企業との関係や発明の実情に合わせたフレキシブルな対応をしております。

A3-2:
 発明者は、当該技術を最もよく知る者であり、技術の実施先や移転先についても心当たりや希望があるのは当然です。京都大学では、特許を受ける権利が大学所有となっても、その実施先・移転先の決定には発明者の意向を尊重しています。実施先や移転先について、心当たりや希望がございます場合は、産官学連携本部担当者に遠慮なくご相談ください。

A3-3:
 法人化後は、京都大学の研究者が個人的に特許を受ける権利を譲渡することはできなくなり、大学が特許を出願して企業と実施契約、譲渡契約を結ぶ形となります。発明が行われる前から企業と研究交流を行っているような場合は、事前に共同研究契約または受託研究契約などを結んで、生じた発明の取扱いについて定めたり、あるいは特許共同出願契約を締結し、企業と大学とで特許を受ける権利を共有としたりすることも可能です。なお、法人化前に京都大学の研究者が発明し、企業に譲渡して出願された特許については法人化後に大学がその権利を主張することはありません。

A3-4:
 企業と共同研究を行い生じた発明については、企業と大学とで特許を共有することがあります。それぞれの持分については、発明が生じた後に譲渡証書や特許共同出願契約書で定めます。出願手続きは原則として共同研究先の企業で行っていただき、手続にかかる費用も原則として企業に負担していただきます。共有特許の実施については、通常、民間企業同士のケースでは共有特許については互いに実施料フリーで双方それぞれ自由に実施を行いますが、大学は特許を実施して製品の製造・販売等の企業活動を行うことはないため、共有企業がその発明を実施する際には当該共有企業から対価を申し受ける場合があります。これら特許の実施や、持分の共有先への譲渡を行う場合には別途特許実施契約や譲渡契約を結びます。
 また、共有相手の企業がその実施権を一定期間以上正当な理由なく実施しないときは、大学で生まれた技術が死蔵されることを防止するため、大学はその実施権を第三者に許諾する可能性があります。大学としては、これらの項目についてもあらかじめ共同研究契約や特許共同出願契約で定めておくようにしています。

A3-5:
 特許が出願された時点で、学内発明者には出願時補償金6,000円が支払われます。特許が成立し、実施先または譲渡先が決定して契約に至りますと、その特許運用に係る収入の中から、当該特許の技術移転費用、出願・維持に係る経費を除いて、残りの部分から発明者に補償金が支払われます。具体的な配分は基本的に以下のようになります。
 
  経費控除後の金額が1000万円までは、発明者に2分の1、部局及び大学本部に各4分の1
  経費控除後の金額が1000万円を超えた分については、発明者、部局及び大学本部に各3分の1
 
 なお、発明者が複数にわたる場合、それぞれ持分に応じて発明者分から配分されます。

A3-6:
 特許を出願するために明細書作成、出願業務を代理人(特許事務所)に依頼すると、1件につき約40万円の費用が発生します。 また、外国出願をするために翻訳や現地特許事務所への依頼を行うと、1ヶ国につき約100万円かかります。特許出願維持費用は大学が負担することになるのですが、全学から年間数百件の規模で届けられる発明について出願費用を賄うためには、保有特許の実施による収入だけでは、当面のところとても足りません。また、営利目的組織ではない大学が、将来的に特許収入をプラスにすることのみを目標として活動を行うことは必ずしも適切とは考えられません。知の拠点として研究者の発明を権利化し、社会に還元を促すシステムを構築していくためには、特許収入だけをあてにせず、ある程度の財源の確保を行って特許を出願していくことが必要となります。京都大学では平成16年3月に産学官連携ポリシーが承認され、民間等との共同研究から10%の産学連携推進経費を申し受け、特許出願や事務運営費などに使用する経費として一括し効率的に運用することが決定されました。

A3-7:
研究者の中には、自らが開発した技術を用いてベンチャー企業を興したいと考える方もいるかもしれません。そうした時に、自身の発明をそのベンチャー企業で使うのに、特許が大学帰属となっているために大学とライセンス契約を結んで学外の他者と同じ実施料を払わなければならないというのはベンチャー企業にとっても知的財産の活用を促す大学にとっても不合理です。京都大学では、発明者が関わる京都大学発ベンチャー企業が当該ライセンス対象の知的財産権の実施を希望する場合には、優先的な条件で実施権が与えられるとしています。

A3-8:
発明者その他の方が、他者が京都大学の出願した特許技術を業として実施(製造、使用、販売等)しているのを発見された場合、産官学連携本部にお知らせ下さい。